読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ある時、ある場所、あの人

日頃の出来事、ふとした考えを誰かに伝えるための便箋のようなもの

子宮移植手術の臨床試験の話

(医学系が苦手な方は閲覧を控えてください)

記事はこちら。

出産適齢期にもかかわらず、先天性の病気や摘出手術などで子宮を失った女性が自身の体で妊娠・出産できるようにすることを目的とする。

 

移植後は体外受精を申請でき、妊娠後は合併症の予防のため免疫抑制剤が投与される。妊娠は2回まで可能で、出産後は免疫抑制剤の投与中止のため、再び子宮は摘出される。というのが一連の流れとなる。

 

現在の成功例としては、スウェーデンで母子間の子宮移植が2件、また血縁のない人同士でも2014年に出産まで成功している。しかしながら、これらは生体移植の例である。

 

今回計画されている臨床試験は、ドナーの死後に摘出された子宮の移植である。

 

腎臓や肝臓の場合、日本での臓器移植は主に生体移植だが、海外では死体移植(脳死及び心停止)が主流である。そういった背景があるため、子宮移植についても生体移植の確立が求められていると推測できる。

 

また、現在の日本の例で言えば、心停止後の移植で保険適用が認められているのは膵臓と腎臓のみである。そういった意味でも、生体移植の適用範囲拡大は、レシピエントの負担軽減へつながると言える。

 

身体上の問題点としてはやはり拒絶反応や免疫の問題があるだろう。妊娠した際、免疫系が過剰に反応することがあるが、死体移植の場合はそういった問題がどのように変化するのか。妊娠中だけでなく、子供の発育についても数年にわたって研究が必要だろう。

 

また、移植について回る倫理上の問題も再び浮上するだろう。これは生体移植に対する議論だが、閉経後の母親の子宮を娘に移植する手法が、拒絶反応の点からも良いと言われている。しかし、こういったプレッシャーを母親側が感じないようにする必要がある。

 

子宮移植ついては現在も議論が続けられており、生命に必須な臓器ではないのにそこまでリスクを背負う必要があるのか、といった問いかけもされる。

 

これらの技術に関わる女性、親、子供が、幸せになることができるよう、臨床事件の成功とより良い議論の成果を期待するばかりである。