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ある時、ある場所、あの人

日頃の出来事、ふとした考えを誰かに伝えるための便箋のようなもの

氷に指がくっつく話

物理・数学

冷蔵庫の氷で経験した人もいるだろうが、特に表面が乾いている氷では指で触るとくっついてしまうことがある。

 

もの同士が「接着」されることは、接着剤と似たような現象が生じているのだが、指と氷との間にはどのようなメカニズムが生じているのだろうか。この現象が「現代化学」の2016年01月号で説明されている。

現代化学 2016年 01 月号 [雑誌]

 

まずは、氷と指の「熱伝導性」について考える必要がある。

氷、すなわちH2Oは熱伝導性が高い。そのため、鍋などで加熱していくと全体的に熱せられ、沸騰は全域的に生じる。

一方で、指のタンパク質は熱伝導性が低い。牛肉などを加熱すると、表面と内部で加熱にムラができ、「レア」のような焼き加減を実現できる。

 

ここで、製氷室の温度を-10℃とする。

氷に指で触れると、その表面は溶けて水になる。この時、指からは体温の36℃が、氷からは-10℃の温度が伝わって来る。

 

しかしながら、それぞれ熱伝導性が異なる。この場合、氷からの冷たさが伝わりやすいため、溶けた水は再び凍結し、氷に戻る(分かりやすいように冷気が伝わるように表記している)。

 

この時、一度溶けた水は指の表面の指紋やしわの隙間へと入り込む。この状態で再凍結が生じるため、氷が楔の役割を果たし、指と氷とを接着させる。

 

冷たい金属の場合でも、表面に結露した水と同様の現象が生じる。

 

指の表面に楔状の氷が入り込んでいるので、無理に剥がそうとすると皮膚を傷つけてしまう。氷による冷たさを上回るように水や温水をかければ取れるので、もしくっついてしまったら、このように対処するように。